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MTB DH ビジネス -鳥瞰-

OhlinsのFフォーク写真がリークして、その動向が注目されていますね。

http://www.vitalmtb.com/product/feature/SPY-SHOT-Possible-Inverted-hlins-Downhill-Fork-Spotted,200

でも、ビジネス視点で考えると、Ohlinsのような、マーケティングもしっかりしていて、そこそこの
大手企業が、自社ブランドでDHのFフォークを発売するなんてことは、常識的には無いってこと
ぐらい、割りと簡単に推測できるわけです。


Ohlins社だけでなく、二輪で絶大な実績のあるS社だってK社だって、そのノウハウだけで、はっきり言って
おもちゃのチャリンコサス屋のRとかFとかを超える製品は、簡単に作れちゃうんですよ。
たぶん。

じゃあ、なぜ自社で販売しないのか。

理屈は簡単。

今のDHマーケットに魅力がないから、リスクを犯してまで自社で売ろうとは思わない。
あとは、ニ輪・四輪の商慣習として大手サプライヤーは大手メーカーにぶらさがったBtoB
ビジネスを基本とする、ってのもあるかな。

ニ輪・四輪を相手にする大手企業は、MTB DH マーケットなんていう、大した売上規模
もなく魅力が薄い斜陽産業に、自社でコストリスクを犯してまでわざわざ不確実性の中に
飛び込み儲ける、なんて必要性を これっぽっちも感じていない。
(Shimanoの部品は完成車で買うとなぜ割安なのか、リスクコストを考えてみましょう。)

Specializedのリアユニットの件も、OhlinsがSpecializedに頼まれて、契約数量の全量
買取を前提にSpecializedに納入したというだけのこと。
Ohlinsから見れば、ノーリスクのBtoBビジネス。

これならば、Ohlinsは自社でリスクを負わない=損しない ビジネスなので、まあ 受注生産
してもよいかな、ということになる。

DBも(たぶん)同じ。
CanecreekがBtoCのリスクを負っていて、OhlinsはノーリスクのBtoBビジネス。
Specializedと違ってCanecreekは部品屋なので、Ohlinsの名前そのままではブランド
的に問題があったので、ああいう形になって販売している。

まあ、こんなことを何となく考えてるだけでも、FフォークもOhlinsが直接我々に売るなんてこと
は今のところ有り得ないと推測できるし、一般消費者が使うことが出来るとしたら、同じように誰か
がリスクをテイクして、Ohlinsはそのリスクテイカーに納入する、というスキームでないと成立
しないこともわかってくる。

同様に、上記記事に書かれているダンパーキットなんてのも、まずもってOhlinsが直接販売する
なんてことはあり得ないと思っている。(Canecreekとかから出すってのはあるかもしれないけど)

今回のFサスの件も、SpecializedでRユニットやったら結構反響あったから、とりあえず
Specializedからオーダー来るかもしれないし(あるいは既にSpecializedからサンプル頼まれた?)
とりあえず有りモノ(RXF Racing Fork にそっくりってのが証拠で、かつ本気度を感じない)で
作ってみておくか、的な感じのレベルだと思う訳ですよ。

っていうことを逆説的に考えると、お金とリスクテイクする覚悟さえあれば、自分のブランドで
Ohlinsのサスをリリースできちゃうかもしれない。

しかも、今のマーケット下では、その方がOhlinsが自社でMTB DH用サスペンションを売る
よりも、一般消費者がゲットできる確率が高いと思うのです。
by kinase | 2013-09-03 00:41 | 考える
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