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ベータチタニウムの鍛造チタン合金について

今回、ベータチタニウムをMTBの世界にご紹介することになったのは、自分自身が製品作成を依頼し、実際に使ってみて、このすばらしい日本製品に純粋に惚れ込んだから。

ベータチタニウムの鍛造チタン合金と加工技術があれば、MTBの世界でも、量産メーカーがコスト見合いであきらめている様々な可能性を高い次元で実現できるソリューションになりうると考えています。

チタン合金と一口にいっても世の中には数十種類も存在し、同じTi-6Al-4Vという配合率の母材といえども密度はまちまちで、世間で評されている引っ張り強度を実現できていないネジも中にはあります。

また、ベータチタニウムでは母材の外側の多くは加工過程で廃棄し、密度が濃く酸素含有量の少ない芯の部分のみ製品としています。
お分かりのとおり、安価なチタン合金ネジは、この外側の母材もそのまま使っているということですね。

日本酒にたとえるなら、中国産の安価なチタン合金ネジは醸造酒でベータチタニウムは精米23%まで磨き抜かれた獺祭の大吟醸のようなもの。

ネジのような小物製品の場合は、削り率が下がると、クオリティーが一定でない製品が生じる可能性が高まります。

ベータチタニウムの鍛造チタン合金について_c0094713_22521924.jpg一般にチタンというと”軽い”というイメージにつながりがちですが、実はベータチタニウムの鍛造チタン合金の最大の強みだと考えているのは、クロモリよりも約20%強い引張強度。
(比重はクロモリの約60%)

これにより、現状の車両では剛性の不足を感じている部分の剛性を高めることもできますし、同等の剛性で60%の軽量化もできるということです。

今の自転車のマテリアルの多くにアルミが使われていますが、アルミは加工しやすくて軽く、形状によって強度を出すことができるから。
(カーボンも似ています)
最近のフレームの流行であるハイドロフォーミングなどは、まさに典型ですね。

ですから、加工面積が大きく形状が自由になる部分にはアルミを使用し、ネジやシャフトなどの狭い部分の形状が決まっている部位には鍛造チタン合金を使うというのが、現代の正しいマテリアルの選択方法となります。

今回のサポートを期に、当方でもベータチタニウムの商品を取り扱わせて頂くこととなりました。

まずは、決まった商品ラインナップではなく(規格モノの商品も現在テスト中ですが)、一台一台に応じて相応しい商品をオーナー様と相談しながらセミオーダーで作成して参りたいと考えております。ネジ一本から対応させていただきますので、ご興味お有りの方は、是非ともご一報下さい。

tapir.info@gmail.com
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